この悩みを解決するには、カウンセリングでいいのだろうか?どんなカウンセリングが良いのだろうか、自分の求めるカウンセラーはどこにいるのか。
JCAPP(開業カウンセリング研究会)は、カウンセリングを求める方に、自分の求めるカウンセラーを見つけられるように情報発信をして参ります。
開業カウンセリング研究会とその設立趣意
ここは、独立開業し一定の資格要件を充たす心理カウンセラーの研究会です。私達は一同に会し、次のような趣旨を以てこの研究会を設立しました。
開業心理カウンセリングは、今日、心理療法の一つの方法となり、その実践家は我が国においても急増しています。しかしながら、開業カウンセラーは互いに孤立し、そのカウンセリングの実際は、心理サービスを求めるクライアントはもとより、専門家の間においてすらあまり知られていません。
このような現状で、カウンセラー側にとっては、事業運営や技能向上は全て個人の独力に依らざるを得ないことや、サービスの提供を受けるクライアント側にとっては、自分の求めるカウンセリングがどこにあるのか、情報やサービスが閉ざされる結果を招いています。
そこで、① 開業カウンセリングを生業とする専門家同士が切磋琢磨していくこと② 適切に開業心理サービスを提供できるようクライアント(来談者)に向けた情報発信をしていくこと、この二つを趣旨に、2019年12月に本研究会を設立しました。
本研究会は、開業カウンセラーを正会員とし、別途、資格要件(国家資格、実績)を定めます。ここでいう開業カウンセラーとは、自ら事業主としてカウンセリング機関を主宰し、それを生業として実践する心理カウンセラーのことを言います。本会は、こうして互いが独立し、自らカウンセリングに責任を持つカウンセラーの同盟です。
ー 設立趣意書抜粋(2019.12.13、於開業カウンセリング研究会設立集会)
当研究会の活動内容
本研究会は、カウンセリングを望む方が安心して自分に合ったカウンセラーを選べるよう、情報発信をしていきます。
今日、カウンセリング(心理・精神療法)という言葉は拡がり、その必要性は確かに社会的にも認識されてきてはいます。しかしながら、では「どこで、どんなカウンセリングを受けることができるのか?」「自分に合ったカウンセラーはどこにいるのか?」あるいは「カウンセリングは受けてみたけれども、このまま続けていて良いのか?」との疑問が残ったまま、カウンセラーやカウンセリングの実際についての情報は閉ざされて、口コミだけが頼りだという有様が続いています。それは開業カウンセリングにおいて特に顕著です。
このような状況で、本研究会は、設立趣意を実現するため、次の通り、活動を続けて参ります。
1.カウンセリングを望む方が安心してカウンセラーを探し、適切なカウンセリングサービスを受けることができるように、心理カウンセリングサービスを求める人に向けて、個人や機関を紹介し、ガイドとなるよう情報発信をする他、カウンセリングや心の問題などの啓発を行う。
2. 定例勉強会(年に4回程度)、研究大会(年に一度)を施行し、互いの技量向上を図り、より良いカウンセリングサービスが提供できるように研鑽していく。
3. 会員開業カウンセラー同士、事業運営に関する協力を行う。
開業カウンセリングとは?
医療機関、行政・民間相談機関から独立と中立が守られて、開業カウンセリングは実践されます。機関や職位(上司)の意向ではなく、あくまでカウンセラー自身の自律性が発揮されます。
カウンセリングは、来談者が「社会(世間)」では話せないことも話せる場、感じてはいけないことも感じられる場でなければなりません。それはカウンセリングの対象となる悩みや精神神経症状の多くが、「社会」で生きていくことの葛藤に由来しているからです。
この時、人がこの葛藤に気づき、その根元にある恐怖を理解した時、人は初めてその葛藤を解いていくことができます。それ故にカウンセリングは、その人の心の中にある善悪やそれが作り出す光と影、その両方が安心して語られるものでなくてはなりません。この時、カウンセラーは自分の属する機関やその規範からも心理的に離れ、何者からも自律(autonomy)している必要があります。
開業カウンセリングに来談される方から、以前通所していた機関に対してよく聞く苦労があります。それは診察や相談など時間的な制約で面談時間が短い、機関の決まりによって担当者を選べない、職場内ローテーションで担当者の交代が強いられる、チーム制により秘密保持が守られないのではないかという不安がある、などです。
この点、独立開業という実践方法は、社会機関や組織が持つ諸制約や要請から解放されて、来談者の希望とニードに対してカウンセリングを自律的に展開しやすいものとなります。開業カウセリングは、こうした方法を実現するために生まれました。そしてその仕事の対価は、雇用される機関から支払われる給与ではなく、目の前の来談者から支払われるセッションフィーとなります。それはとりもなおさず、自分の仕事の評価は、全て来談者から下されることを意味しています。
カウンセラーは個人でこの責任を担保するために、高い技量と絶え間ない研鑽が必要であると言われています。それがカウンセリングサービスの質を決定していることは言うまでもありません。