新明 一星

新明 一星

公認心理師 臨床心理士

1975年生まれ、臨床心理士、公認心理師、医科学博士
● Temple University卒、駿河台大学大学院卒、山梨大学大学院卒
● 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター、 神経内科診療部にて臨床研究、認知行動療法の普及・啓蒙活動に従事
● 2018年にTCBTカウンセリングオフィスを開設し、プライベートプラクティスを開始
● Beck Institute, CBT for Depression and Anxiety Level I workshop 修了、厚生労働省認知行動療法研修修了
● 強迫症、パーキンソン病のうつ、不安、ジストニア 、慢性頭痛の認知行動療法などの研究を経て、対人関係、愛着障害のカウンセリングを探求するに至る
● 武蔵野大学、山梨大学英和大学、人間総合科学大学にて非常勤講師

私は、医療(精神科、神経内科、耳鼻咽喉科)で、認知行動療法の臨床と研究を行ってきました。認知行動療法の効果を実感することは多くありましたが、経験が長くなるにつれて手応えが感じられない症例が増えていきました。認知行動療法では、自分の心を認知と行動に分割して客観視することを理念としています。ところが、自分自身がわからないとおっしゃる方には、認知行動療法の適用が難しく、大きな負担になっていることに気づいたのでした。このような方には、自分の心が見えなくなる理由があり、愛着障害、心理発達、家族葛藤から症例を理解する必要があることに徐々に気づいていきました。

愛着障害とその治療に興味を持ち始めた時に、高橋和巳先生を始め、このJCAPPのカウンセラーの皆様と出会い、私の臨床的疑問への答えが少しずつ紐解かれてきました。人は自分の心を知るために、他者の反応を手がかりにします。その反応が欠如していたり、過剰である時に、人は自分の姿を見失います。自分の心が見えなくなると、過度な努力や自己完結に徹し、なおかつ虚無感や焦燥感が拭い去れないとうライフスタイルが定着します。心理療法は、自分の心の状態を語る能力を高めることであり、その語る能力が感情調整を助け、適応能力を高めるのだという観点を、JCAPPでは学ばせていただいています。全ての援助者に有効な症例の見方であり、私の臨床活動に大きな影響を与えているのが、このJCAPPの存在です。

推薦者の言葉を紹介します

岩本祥子さん
岩本祥子さん

 新明さんの第一印象は「落ち着きと包容力を感じさせる人」でした。実際に対話をすると、安心感も持てて、物事への探究心や人としての柔軟性も備えていらっしゃる人物です。
 そのお人柄は、これまでの生き方にも表れています。18歳の頃から長年の間、一人の恩師に師事して研究してこられ、研究室では信頼を得て、ストレス緩和病棟にてパニック障害を持つ方々の治療に専念、臨床づくしの日々でした。一見、研究一筋の印象ですが、社会人経験もあり、クレーム対応の業務をされたこともあるそうです。知識だけではなく、自身の人生の経験からも、生活の場の様々なストレスを感じ取れるのだと思います。
 新明さんが代表を務める「TCBTカウンセリングオフィス」は、強迫性障害と神経疾患の会話療法、認知行動療法を専門領域としています。新明さんは、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター・認知行動療法センターに7年勤務し、認知行動療法を医療従事者に伝授するほどの専門家でありながら、この療法に偏ることなく、まず患者様の状態をしっかり見立てることが重要であると考え、傾聴を重んじておられます。研究より治療を迷わず選んだのは、「人が変わっていく横にいられることに言いようのない喜びを感じるから」とおっしゃっています。
 そんな新明さんですから、きっとあなたの思いを大切に聴きとって、あなたの変化を見届けてくれると思い推薦いたします。

岩本祥子

野口洋一さん
野口洋一さん

 新明さんに最初にお会いしたのは、ある機能性発声障害の研究会でした。機能性発声障害とは、発声器官に所見がないのに声の出せなくなる病で、医療者間では難治性疾患と言われています。新明さんは、カウンセリングの方法を以てこの治療に取り組む専門家の一人でした。また同様に医療機関で対応困難な神経疾患、強迫性障害なども守備範囲とされ、まさにカウンセリングしか方法が残されていない、という問題に取り組んでこられました。

 こういうカウンセラーは滅多にいません。お近づきになりたく、声をかけると気さくに応じて下さり、親交が始まりました。その中で新明さんが豊富なカウンセリング経験を積まれてきたこと。その中でクライアントと誠実に向かい合いながら、理論よりも目の前にいるクライアントの声を聴き、厳しい目を以て内省作業を続けてこられたことが良く分かりました。何よりも印象的だったのは、実は認知行動療法では限界のあるケースがあり、そこに求められているのは傾聴と受容だと思う、という言葉でした。そして研究トピックを語る新明さんより、カウンセリングでクライアントが変化する様子を語る新明さんの方がずっと生き生きとしているように見えました。

 新明さんは、確かな理論と技術を持つことは勿論、症状の深奥にある心の声を聴くカウンセラーです。私の家族や友人が強迫性障害や難治性の疾患を患ったら、迷わずに新明さんにカウンセリングをお願いします。

野口洋一

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