カウンセリングを希望される方へ

カウンセリングのお申し込みは、各々のカウンセラーのホームページより直接ご連絡をいただきますようお願いいたします。

カウンセリングが適用となる心の問題

心の病は大別して、脳機能障害に原因があるものと悩みが作る精神神経症状の二つ。カウンセリングの適用になるのは、悩みと悩みが作る精神神経症状です。

様々な精神神経症状

  • うつ病、パニック障害、不安障害、特定のものに対する恐怖症(密閉、発汗、嘔吐)、燃え尽き症候群、
  • 医学的に所見のない痛みや疲労感、心気症、本態性振戦(手の振るえ)、ジストニア、痙攣性発声障害、不随意運動症
  • 嗜癖問題(依存症)、摂食障害、自傷行為、強迫性障害(洗浄強迫、確認癖、潔癖症)
  • 解離症状

これらの症状の深奥には、多くの場合が他者との間に対人葛藤や内的葛藤が生じています。 その葛藤を生んでいるのは、その人の生き方(=その人の心理行動様式)です。その生き方に余裕がないと緊張が強まり、それが長期化すると、深刻な悩みや精神症状となってその人を苦しめます。カウンセリングではこの葛藤を見定め、その解決を図ります。

自分の性格や生き方の問題

  • 人前で緊張が強い、人の輪の中に入れない、いつも自分が浮いているように感じる
  • 自己主張が苦手、人と対立することを避けてしまう。怒っていいのか分からない
  • リーダーシップを取れない、上司が恐くて意見が言えない
  • 人との距離感が分からない、
  • 何か問題があると、自分の問題、自分に責任があるのではないかと思う
  • 自分はアダルトチャイルドではないか。愛着障害があるのではないか。
  • 自分には発達障害があるのではないか。

これらは、元々の自分の気質ではないか、と多くの人が考え、それを変える方法を探しています。しかし実はこれらは、与えられた環境を生き延びるために身につけてきた生き方、ものの見方や感じ方です。カウンセリングでは、第一にこれらの傾向を客観視し、さらにはそれらを身につけた理由の理解と受容を図ります。それを自己否定するのではなく、肯定できるようになった時、人は変わっていくことができます。

夫婦(関係)の問題

  • 夫(妻)にアルコール、借金、DV問題がある
  • 夫(妻)に発達障害があるのでは?自分はカサンドラ症候群ではないか
  • 夫婦間でコミュニケーションがない
  • 離婚を考えるが、子どものことを考えると踏ん切りがつかない

夫婦間の問題は、表面的に起きている問題にとらわれず、その原因となっていることが、自分の問題なのか、相手の問題なのか、夫婦関係の問題なのか、正確に見極めることが必要になります。先ずは、困っているご本人が、カウンセリングで自分自身の在り方を見つめ、その悩みを言葉にしていくことから真の問題の理解を図ります。問題解決の方法は、その原因によって様々な方法が見つかっていくでしょう。

親子(関係)、子育ての問題

  • 育児不安、産後うつ、自分は虐待しているのではないか、こんな母親で子に申し訳ない
  • 子どもの摂食障害、不登校/引きこもり、家庭内暴力にどう対応したら良いか分からない
  • 子どもにアルコール、ギャンブル、ネット依存の問題がある
  • 子どもに発達障害があるのではないか

育児の悩みも様々ですが、「育児不安・産後うつ」と呼ばれる問題は、自分と自分の親との関係(葛藤緊張)が背景にあることが多く、否応なくそこにに直面して苦しさは一層強いものになります。その背景を整理して、自分の子との時間に安心を見つけていくことがこのカウンセリングの要諦になります。また子の思春期問題は、親自身が抱えてきた葛藤の反映です。自分の生き方=自分の育児の方法を振り返り、子への新たな対応方法を見つけていきます。子に発達障害がある場合は、その障害特性を理解し、それを受容する過程をカウンセリングで支えていきます。

心的外傷(トラウマ)、喪失体験

  • 大切な人を失って立ち直れない(喪失体験、複雑性悲嘆)
  • 恐ろしい出来事に遭遇してそれが忘れられない(PTSD)
  • 虐待被害、虐め被害、ハラスメント被害がある(複雑性PTSD)

心的外傷(トラウマ)とは、心身の安全と生命が脅かされて、死の恐怖とともに今まで信じてきた明日を失ってしまう恐ろしい体験です。また虐待被害をはじめとする幼少期の心の傷は、自他への信頼感を根こそぎにしてしまいます。その恐怖から、様々な心身の症状が生起します。カウンセリングでは、その恐怖への対処を覚えながら、外傷を癒やし、つながりと安全の再体験を図ります。

カウンセリングを受ける前に知っておいた方が良いこと

カウンセリングの申込から初回のセッションの方法まで

予約

来談は電話かメールによる予約制が一般的で、遅刻するとその分、カウンセリングの時間は短くなるのが普通です。大抵のカウンセリングルームには、セッションの時間割が用意されているので、始まりの時刻と終了の時刻を確認するといいでしょう。予約の際に、受付の対応がどうだったか、はカウンセリングルームの評価として重要です。

セッション時間

時間:1セッションあたり45分〜50分と時間は決まっています。この時間が決まっているからこそ、そのセッションで何をどこまで話したら良いのか、自分の気持ちや言葉をまとめていくことができます。またカウンセリングの方法は、基本的には対面式でトークセッションが中心になると思います。電話セッションや家庭訪問を実施しているカウンセリングルームもありますが、特別な状況において限定的な方法となっています。(カウンセリングの効果から言えば、対面式が最も望ましい方法です。)

セッションフィー

料金:カウンセリングの一般的な料金は8,000〜12,000円です。来談者は、健康保険が適用にならず、高額な実費負担を強いられますが、安ければ良いという訳ではありません。料金がこの範囲であれば、後はその内容を検討して来談を決めて良いと思います。

セッション頻度

これは相談内容によって決まります。一度で終わってしまう場合もあれば、長期に続く場合もあります。ただ高額な負担を強いられますので、無理なく続けていける頻度を決めていくことが必要になります。カウンセラーに相談すると良いでしょう。それに応じて頻度を提案してくれる筈です。頻度は、一般的に1週間に一度から月に一度程度で行われることが多いと思いますが、安定してきたら、あらためて頻度を下げていく場合もあります。

カウンセラーの専門性とオリエンテーション

カウンセラーの専門性は、どのような訓練を受けたか、どのような相談に応じてきたかを調べてみると良いでしょう。オリエンテーションは、様々な学派が存在します。精神分析、交流分析、家族療法、ナラティブセラピー、認知行動療法など多様です。相談の内容や疾患により適用となる心理療法は異なりますが、基本技法は「傾聴」です。来談者の話しに口を挟まず黙って聴き、その上で見立て(治療方針)を説明してくれるカウンセラーならきっとあなたの力になってくれるでしょう。

自分に合うカウンセラーの基準

自分に合うカウンセラーは、どんなカウンセラーか? どう探すのか?

カウンセラーを選ぶことは難しいことです。選ぶ側は弱い立場におかれています。自分が助けを得られるカウンセラーはどんな人で、どんなカウンセリングが自分に相応しいのか、そしてどこまで自分の意見を持っていていいのか、初めてカウンセリングを受けようとする人にはなかなか見当がつけられずに不安を抱えていることと思います。ここで、カウンセラーをどう選んだら良いか、その基準を挙げておきたいと思います。一般にカウンセラーを選ぶ場合、次のような点が問題になると思います。これらを基準にして、ご自身が安心して悩みを語ることのできるカウンセラーをイメージして選択すると良いと思います。

🔶1 カウンセラーの専門性 〜 そのカウンセラーの経験や資格

🔶2 カウンセラーの年齢 〜 自分より年上がいいのか?年下でもいいのか?

🔶3 カウンセラーの性別 〜 自分と同性の方がいいのか?

カウンセラーの専門性

これは最初の選択肢です。カウンセラー選びは、自分と同じ悩みを多く扱ってきたカウンセラーを探し、選ぶことから始まります。その経験や専門性はそのカウンセラーのプロフィールや実績から調べることができます。自分と同じ悩みに対して、そのカウンセラーはどんな考えや解決法を提示しているか、それが納得いくものであるかどうか、先ず検討してみて下さい。そのような情報を充分に発信しているカウンセラーなら、より安心して選ぶことができるでしょう。

カウンセラーの年齢

カウンセラーの年齢については、その人自身の年齢や抱える悩みの種類によっても変わってくるでしょう。カウンセラーは、ご自身がこれまで誰にも分かってもらえなかった悩み、誰にも話せなかった悩みを語る相手となります。その悩みをあなたはどんな年齢の人であれば、(少しでも)安心して語ることができるでしょうか?カウンセラーの年齢は、これを基準に選ぶと良いと思います。

多くの人は、年下の相手には、カウンセラーであっても分かってもらえない不安がでてくることと思います。また逆に、年上の人に対しては苦手感を抱く人がいるかも知れません。そしてこれらの一方で、年齢はさほど気にしない方もいるでしょう。これらは、自分の悩み(それまでの対人関係の傷つきや葛藤)と関連している場合が少なくありません。この時、どんな人になら自分の話ができるか考えてカウンセラーを選ぶことは、既にカウンセリングが始まっているとも言えます。とは言え、それに迷い、イメージできない場合もあるでしょう。その時は、自分よりも年上のカウンセラーを選ぶと良いと思います。

本研究会では、カウンセラーの独立開業には、一定の経験、専門性、カウンセラーの心理的成熟度が求められていると考えています。それ故、本研究会のメンバーシップには、40歳以上を要件として定めています。

カウンセラーの性別

カウンセラーの性別についても、年齢と同じことが言えます。異性、同性、より話しやすいカウンセラーを選べば良いでしょう。特に異性に対する拒否感や緊張が強い場合は、性別を意識してカウンセラーを選んで下さい。(付け加えて、この場合は年上のカウンセラーが良いことが多いです。)この点が強調されて、「カウンセリングは、同性のカウンセラーを選ぶべき」という意見があります。しかしこれはいつも同性のカウンセラーがいいということではありません。私たちの経験では、成人の来談者の場合は、特別な抵抗感がなければ性差はそう問題にならないことが多いです。カウンセラーとの性差が気にならなければ、どちらを選んでも問題ありません

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